もくじ
『ど田舎はいたついん』のハシヅメ(夫)です。
この記事では『初めての山岳用テントの選び方』について紹介します。
- 山でテント泊をしてみたいと思っている人
- 日帰り登山や山小屋泊ではちょっと物足りなくなってきた人
- 山岳用テントの購入を考えている人
日帰り登山や山小屋に慣れてきたら、いよいよテント泊にも挑戦してみたいところ。
いろんなメーカーからたくさんの種類のテントが発売されていて、どれを選んだら良いか迷ってしまいますよね。
でもご安心を!
テント選びは基本的な考え方を踏まえれば、決して難しいものではありません。自分にベストなテントを見つけてみましょう。
自然をダイレクトに感じられる!テント山行の魅力
テント山行の魅力は、なんと言っても布きれを境目に自然と対峙するロマン。
必要最低限の装備を選び、山の変わりゆく環境に対応していく技術。
自然の中で一夜を過ごしたからこそ見える景色。
一味違った山の世界が楽しめる、登山の醍醐味の一つと言っても良いでしょう。
山岳用テントはどうやって選んだらいいの?
山のテント場を通ったことのある方ならよく知っているのではないかと思いますが、テントは本当に多種多様です。いろんな形やカラーがいっぱいありますよね。
今回はスタンダードなテントを基準に、テントの選び方を考えていきたいと思います。
その前に教えて!キャンプ用テントなら持ってるんだけどダメ?
キャンプ用のテントは、重く、収納サイズも大きいため登山には向いていません。やはり山に持っ
ていくのであれば山岳用テントを購入しましょう。
キャンプ用テントは、とてもじゃないけど、ザックに入るような重量やサイズじゃないのだ・・・
山岳用テントに必要な4つの機能
山で使用するテントには4つの必要な機能があります。
1.軽量でコンパクトなこと
テント山行は衣食住を全て背負って山に登ることになります。
人が背負える荷物の大きさや重さは限度があるため、やはり軽くてコンパクトであることが疲労の軽減につながります。
⒉悪天候に強いこと
山では突風や豪雨に見舞われることも少なくありません。
逃げ場の少ない山中では、テントこそが自分の身を守る「安全な家」である必要があります。
⒊設営がしやすいこと
重い荷物を背負うため、テント山行は軽量の日帰り登山よりも疲れます。ヘトヘトで幕営地に到着することも多いのでは。
設営がしやすいテントはストレスがかからず、スムースに休息へ移ることができます。
⒋目的に合わせた大きさを
大概のモデルには使用人数の目安が明記されていますが、これは荷物を置くスペースが考慮されていないことが多いです。
例えば1~2人用と表示されているものなら、2人で寝るとザックのスペースがほとんどないこともあります。1~2人用は1人で、2~3人用は2人で使うのがおすすめ。
どんなテントの種類があるの?
山岳用テントを大別すると、
- テントポールをセットするだけで立ち上がる「自立型」
- ペグで固定し張り編みを使う「非自立型」
の2タイプの固定方法が存在し、さらに
- インナーテントの上にフライシートをかぶせて2枚の生地を重ねて使う「ダブルウォール」
- インナーテント自体に防水透湿性機能を持足せることで1枚にした「シングルウォール」
という2種類のテント構造があります。それぞれのタイプのテントの特徴を紹介します。
【テント場でもよく見かける定番モデル】ダブルウォール × 自立型
最初に選ぶならこのタイプが断然オススメです!というかこのタイプ以外は無視してください!
ダブルウォールは内部と外界の間に2枚の壁ができるため、入り口前にはフライシートで雨を防ぐ「前室」と呼ばれるスペースが生まれます。
この空間は雨天時の調理や荷物置き場にも使えるため、とても重宝します。また自立式のため、設営場所を選ばず立てられることもメリット。
山でよく見かけるテントはほとんどこのタイプ。初めてのテントはこのタイプを推奨します!
【軽くて設営も楽チン】シングルウォール × 自立型
内部と外界の間にテントの壁が1枚しかないので「シングルウォール」と呼ばれます。
ダブルウォールよりも軽くコンパクト。フライシートを付ける手間もないため、設営をスピーディーに行うことができます。一方で悪天候時に出入り口から雨や風が入り込んだり、ダブルウォールと比べてテント内が結露しやすいという欠点もあります。
結露しやすく前室もないため、初心者にはちょっと不向き。『経験者向け』のテントと言えます。
【自由度の高いデザイン】 非自立型
ポールが交差することで立体化する自立型テントとは違い、ペグでしっかりと地面に固定しテンションをかけないと自立しません。
その形状も製品によってさまざまで、デザインの自由度はとても高くなります。非自立型テントの最大のメリットは軽量化。トレッキングポールを代用して立てることができるモデルも多いです。
一味違ったテント山行を楽しみたい『玄人向き』のテントと言えます。
入門におすすめのダブルウォールテントをご紹介!
テント泊大好きの筆者が選ぶ、エントリーにもおすすめな人気のダブルウォールテントをご紹介!
どれも本当に軽量で設営もしやすく、買って損なしのテントです。
あとはご自身の好みになってくるので、自分に合ったテントを見つけてみましょう。
モンベル|ステラリッジテント2
国産アウトドアメーカー<モンベル>の山岳テントを代表するモデル「ステラリッジテント」シリーズは、世界トップクラスの軽量性と剛性を持った人気のテントです。
長年にわたり多くの登山家に支持され続け、今も尚、進化を続けています。
- 最強レベルの軽量性
2〜3人用で本体+ポール+フライシートを合わせて1.23kgという脅威の軽さを持ちます。 - とにかく設営がスムーズ
2018年より吊り下げ式の設営方法に移り変わり、さらに素早くストレスのない設営が可能に。 - フライシートのカラーが豊富
4色のフライシートが別売されており、他の山岳用テントに比べカラーバリエーションがとても豊富です。他の登山者と被る心配も少なくなります。
参考価格:本体/29,200円+税 フライシート/12,000円+税
カラー:4色(黄・青・緑・白)
重量:1.23kg(2〜3人用の本体+ポール+フライシート)
アライテント |エアライズ2
「ヒマラヤでもウラヤマでも」というユニークなキャッチコピーが印象的な国産テントブランド<アライテント>のフラッグシップモデル「エアライズ」。
初心者からプロまで、幅広いユーザーに対応するバランス力を持った人気テントです。
- 用途に合わせたオプションがある
雪山用の「スノーフライシート」や大きな前室を確保できる「DXフライ」など、オプションによってテントの用途に幅を持たせることができます。 - 無駄が一切ない設計
シンプルなデザインになっており、それによって極限までの軽量化を可能に。また、シンプルゆえに直感的に設営できる構造になっています。 - 設営が簡単
エアライズはフレームをスリーブに通すだけであっという間に設営できてしまいます。ソロのテント泊や女性でも心配ありません。
参考価格:44,000円+税(2〜3人用)
カラー:2色(オレンジ・グリーン)
重量:1.55kg(2〜3人用の本体+ポール+フライシート)
ヘリテイジ|エスパース・デュオ アルティメイト
<ヘリテイジ>は長野県安曇野発のテントを代表とするアウトドアブランド。2人(最大3人)を想定した山岳用テントがこの「エスパース・デュオ アルティメイト」。
国産メーカーらしい丁寧な作りが魅力で、ちょっと特徴的なテントを求めている人にもおすすめです!
- とにかく前室が広い!
入り口が横側(長辺側)構造になっており、広い前室が設けられています。調理ができたりや大きなザックを置けるほどのスペースです。 - 初心者でも超簡単な設営方法
テントの張り具合をアジャスターで調整できたり、本体とフライシートの連結はワンタッチ式のバックルになっており、初めてのテントでもとてもスムーズに設営することが可能。筆者としては設営のしやすさではNo.1ではないかと思っています。 - オールシーズン対応の万能テント
別売のスノーフライを使用すれば積雪期の登山にも対応。メンテナンス体制もしっかりしているので、季節・山を問わず安心してガッツリ使うことができます。
参考価格:66,000円+税(2人用)
カラー:1色(オレンジ・グリーン)
重量:1.55kg(本体+ポール+フライシート)
スタンダードなモデルから、少しずつステップアップを
何度も言いますが、初めてのテントは「ダブルウォール」×「自立型」が絶対にオススメです。
近年はカラーやデザインが個性的なテントが増えてきて、「テント場に張るなら目立つ個性的なものを!」と思う気持ちもあるかもしれませんが、まずは一般的なモデルから試してみましょう。
少しずつテント山行に慣れてくると、”軽さ”や”居住性”など自分が求めるテントの種類が見えてきますよ。